貿易ニュース 8月2008年 

27/08/08 キリン・ホールディングスが豪州大手乳業を買収へ
27/08/08 豪州最大のオーガニック鶏肉生産者が輸出を計画
27/08/08 トロピカル・ワインを米国コーシャ市場に輸出−クイーンズランド州
27/08/08 今後10年間でオーストラリア産乾牧草の輸出需要が急増
27/08/08 オーストラリアで初めての大規模なカカオの収穫が始まる
27/08/08 今年のマカデミアンナッツの収穫量が当初の予想より25%減に
20/08/08 7月の日本向け豪産ラムの輸出量が19%減
20/08/08 遺伝子組み換え食品の禁止措置を4年間延長−西オーストラリア州
20/08/08 キルコイとハービーの食肉施設買収の噂を否定−豪州スイフト社
20/08/08 自動車関税の引き下げを擁護−自動車産業政策見直し報告書
20/08/08 北京オリンピックで豪産ウールの価格が低迷
20/08/08 7月の新車販売台数が大幅な落ち込み − ニュージーランド
13/08/08 オーストラリアのトリュフ産業は今後成長するが、課題もあり
13/08/08 オーガニック牛肉の将来は明るい − クイーンズランド州
13/08/08 7月の豪産牛肉の日本向けが13%増加
13/08/08 昨年度の豪産ワインの輸出量が前年度比13%減
13/08/08 日本からクイーンズランド州に水を輸出する計画
13/08/08 7月の豪州の新車販売台数が前年同月比で2.7%減
06/08/08 WTO交渉決裂で、豪産ラムに対するEU市場開放ならず
06/08/08 日本ハムが所有する豪州最大の養豚場を売却−クイーンズランド州
06/08/08 ロブスター業界は漁獲量の減少を懸念 − 西オーストラリア州
06/08/08 新技術でバナナの廃棄物から紙、ベニア、木製品を製造
06/08/08 オーストラリアの養殖産業は2015年までに現在の2倍の生産量に
06/08/08 一回の出荷としては世界記録となる生体牛を輸出

                                                                    

08月27日2008年 キリン・ホールディングスが豪州大手乳業を買収へ
  日本のキリン・ホールディングスが保有するオーストラりアの子会社ナショナル・フーズ社が、酪農家協同組合のデイリーファーマーズの買収入札で第一指名に選ばれた。 デイリーファーマーズの取締役会において、ナショナル・フーズ社が一株当たり5.65豪ドル、総額9億1,000万ドルでデイリーファーマーズを買収する提案を、株主たちに推薦することを満場一致で決まった。 同社は、組合員である生乳納入業者が新しく納入契約を結び、1リットル当たり1-2セント納入価格が上がることになるとしている。 ナショナル・フーズ社の買収提案によると、株主には最大の価格を提示し、両社を統合してオーストラリアで最大の乳製品のブランドになるとしている。 
  しかし、農家の団体は、デイリーファーマーズが買収されれば、今後生乳の売り先が限定されることに懸念を抱いている。 ニューサウスウェールズ州農家協会酪農部のアドリアン・ドゥルーリー氏は、「11月に買収提案に対する投票を行なう協同組合の株主にとっては良い取引となるが、今後このような買収が進むと、農家たちは生乳の販売量の管理が出来なくなるかもしれない。 当面は問題はないかもしれないが、将来ひとつの企業がニューサウスウェールズ州で80%の牛乳を生産するようになれば、当然リスクが高まってくる」と話した。 (Source: ABC, 22/08/08 "Japanese company buys Dairy Farmers")
08月27日2008年 豪州最大のオーガニック鶏肉生産者が輸出を計画

  オーストラリア最大のオーガニック鶏肉生産業者が、1年半以内に輸出を始める計画をしていると発表した。 イングルウッド・ファームズ社のオーナーのクライブ・ウェイリー氏は、「鶏肉を海外に販売するために、現在ニワトリ加工場の許可書をオーストラリア検疫検査局に申請している。 また商品の付加価値を高めることの出来る信頼できる海外のパートナーを探している。 すでに韓国や日本からの問い合わせがあるが、これは我々にとって大きな一歩となる。 販売先のターゲットは北アジアであるが、シンガポールやタイなどの南東アジアでの富裕層の増加が顕著である。 先日訪れた中国も高い関心を寄せていた」と話した。 
  また同社の共同経営者は、我々の商品はオーガニック鶏肉でなければならず、最大の費用はエサとなる穀物で、オーガニック認定基準に沿った鶏肉を生産しなければならないと語った。 (Source: ABC, 22/08/08 "Organic chicken processor seeks export approval")

08月27日2008年 トロピカル・ワインを米国コーシャ市場に輸出−クイーンズランド州

  クイーンズランド州北部にあるトロピカル・フルーツ・ワイナリーがアメリカへの輸出を始める。 同州のDimbulah地区にあるMoonlight Wine社は、年間1万8,000リットルのレイシ、マンゴ、赤ドラゴン・フルーツのワインを生産している。 同社のオーナーのトレーバー・ステファンズ氏は、「我々はコーシャ(ユダヤ教の食事規定)の認定を受けており、ユダヤ人のワインを嗜む人々もターゲットにしている。 例えば、アメリカは2億人以上の人口があるマーケットでコーシャの市場も大きい。 2,000万人とも言われるユダヤ人のマーケットを狙っている」と話した。 (Source: ABC, 25/08/08 "Tropical wine to export to the United States")

08月27日2008年 今後10年間でオーストラリア産乾牧草の輸出需要が急増
  海外の輸出マーケットによるオーストラリア産乾牧草の需要が、今後10年間で50%から100%増加することになる。 
  ニューサウスウェールズ州政府第一次産業省は、「今後予想される15億トンの乾牧草の需要に対応するには、今より36万5,000ヘクタール広い土地に新たな植え付けが必要となる。 また、ニューサウスウェールズ州とビクトリア州の酪農家が生乳生産を増やすために、乳牛1頭当たり年間1,500キロの乾牧草を余計に食べさせると、今より年間60万トンの乾牧草が必要となる」と話した。 
  オーストラリアから輸出される乾牧草の約90%が日本向けで、6%は韓国、4%は台湾、1%は中東に出荷されている。 (Source: The Weekly Times, 21/08/08 "Hay in demand")
08月27日2008年 オーストラリアで初めての大規模なカカオの収穫が始まる

  オーストラリアで初めてとなる大規模なカカオの収穫が成功を収めている。 
  加工業者のココア・オーストラリア社は、クイーンズランド州北部のモスマン地区近くの3ヶ所の栽培地からカカオの実の収穫を行なっている。 乾燥させたあと、4トンにもなるそれらのカカオ豆を試験的にメルボルンに送る。 そして最終的には、それらのカカオ豆はオーストラリアで初めてのオーストラリア産チョコレートの原料となる。 
  現在オーストラリアは、製菓産業が使用するために年間2億ドルのカカオ豆を輸入している。 ココア・オーストラリア社のテリー・マーサー氏は、「クイーンズランド州北部には、カカオの栽培に適しており、今回の試験的な挑戦は、収穫量もココアの加工作業も大成功である」と語った。 (Source: ABC, 20/08/08 "Cocoa harvest underway")

08月27日2008年 今年のマカデミアンナッツの収穫量が当初の予想より25%減に

  2008年のマカデミアンナッツの収穫量が予想より25%少なくなることが分かった。 業界団体のオーストラリアン マカデミア協会(Australian Macadamia Society)は、今年のオーストラリア全体のマカデミアンナッツの収穫量(殻付き)が、当初の予想の4万5,000トンから3万4,000トンになると発表した。 
  同会のキム・ジョーンズ産業開発マネージャーは、 「悪天候と病気が、ニューサウスウェールズ州北部とクイーンズランド州南東部のマカデミアンナッツの栽培地域に大きな被害を与えた。 しかし、予想されている落ち込みは、思っていたよりも少なかったので驚いている。 クイーンズランド州の北部やバンダベルグ地域にいる生産者たちは、まあまあの収穫量がり、生産の減少が価格の高値につながることを願っている」と話した。 (Source: ABC, 21/08/08 "Macadamia crop down")

08月20日2008年 7月の日本向け豪産ラムの輸出量が19%減
  オーストラリア国内でのラムの供給が不足したことにより、7月の日本向けラムの輸出量は19%減少して575トンとなったが、マトンは逆に20%増えて244トンとなっている。 両方を合わせた羊肉の輸出量819トンは、前年同月と比べると11%下回った。   今年の1月から7月までの日本向けラムの輸出量の累計は5,757トンで、前年同期比で7%増えている。 冷凍ラムの輸出量が65%増えて2,035トンとなったが、冷蔵ラムの輸出量は11%減って3,722トンとなった。 日本は今年も非常に暑い夏になっており、冷凍ラム・ショルダーを薄く切ったジンギスカン鍋の需要が高くなっている。 (Source: MLA, 07/08/08 "Lamb exports to Japan down 19%")
08月20日2008年 遺伝子組み換え食品の禁止措置を4年間延長−西オーストラリア州
  遺伝子組み換え阻止のための活動している非営利団体Gene Ethics Networkは、西オーストラリア州での遺伝子組み換え(GM)食品や繊維作物の禁止措置を4年間延長するとのアラン・カーペンター州首相の決定に賞賛を送っている。 
  同団体のボブ・フェルプス氏は、「今回の発表は、多くの州や人々の同意や意見の一致を無視し、今年から遺伝子組み換え操作を行なったカノーラの栽培を認めたならずもののビクトリア州とニューサウスウェールズ州を孤立へと追いやるものである。 我々は遺伝子組み換え(GM)食品や作物の規則について、全国的に統一されたシステムを支援するために、すべての州政府に西オーストラリア州と同様の措置を行なうことを求める。 全国的に統一されていない規則では、消費者の90%以上やほどんどの農業者の意思に反して、遺伝子組み換え(GM)作物が、オーストラリア全体に広がっていく可能性がある。 大手スーパーも遺伝子組み換えをしていない食品(GM-free)の販売を進めている。 GM-freeは健康的で、安全で、環境に優しい」と話した。 (Source: The Land, 19/08/08 "WA extends GM crop ban by 4yrs")
08月20日2008年 キルコイとハービーの食肉施設買収の噂を否定−豪州スイフト社
  スイフト・オーストラリア社は、ブリスベン北部にあるKilcoy Pastoral Co社の牛肉輸出施設や西オーストラリア州のHarvey Beef社の加工場を買収したか、または買収する予定であるとの噂を否定した。 
  先週から牛肉業界で噂になっているこの話は、Futuris社が20%の株式を持つシンガポールに拠点を置くHarmony Groupが所有するこの2つの施設の買収において、スイフト・オーストラリア社が一番優位な立場にあるとしている。 
  スイフト・オーストラリア社のジョン・ベリー取締役は、2つの施設ともに売却の話は来ていないとして、それらの噂は否定している。 スイフト・オーストラリア社は、オーストラリアでは大手の食肉(赤肉)加工会社で、最近の業界のデータでは、オーストラリアで生産される21%赤肉の生産を行なっている。 Kilcoy Pastoral Co社は年間5万3,000頭の牛を処理し、オーストラリア全体のの1.8%にあたるグレインフェッド牛の屠殺を行なっている。 Harvey Beef社はオーストラリア全体の1.8%となる年間4万5,000頭の牛を処理している。 (Source; Stock & Land News, 14/08/08 "Swift Aust denies takeover rumours")
08月20日2008年 自動車関税の引き下げを擁護−自動車産業政策見直し報告書

  前ビクトリア州首相のブラック氏が連邦政府の委託を受けて自動車産業政策の見直しを行なった報告書が発表され、2010年からの自動車輸入関税の10%から5%への引き下げを支持し、現在5億ドルの環境に優しい自動車基金”グリーンカー・ファンド”を倍増させることを提言した。 
  またこの報告書では、現在実施されいて2015年に終わる自動車産業振興策(ACIS)の代わりに、2020年まで自動車産業を支援する総額25億ドルの基金の創設を求めている。 連邦政府のキム・カー技術革新・産業相とスティーブ・ブラック氏はが共同で発表したこの報告書では、自動車産業界の革新に焦点を当てているが、為替レートや世界的な競争など広範囲な要因により、2020年までは引き続き支援が必要としている。 
  ブラック氏は、「今回の計画では、2020年までには環境的にも経済的にも安定する自動車業界に向けて、研究、設計、革新に重きを置いた。 前回の見直しでは2015年まで自動車業界を支援するとしているが、現在は取り巻く環境も変わっており、もう5年間支援が必要である。 この支援は、”Global Automotive Industry Transition Scheme”として2010年から総額25億ドルとする。 ”グリーンカー・ファンド”も2009年まで延長し、基金額も2倍にするべきである。 自動車産業は、オーストラリア経済に約80億ドル寄与し、輸出額も47億ドルとなり、オーストラリアで輸出産業のトップ10に入っている。 また6万人以上の人たちが自動車産業で働いている」と話した。 
  この報告書では、連邦政府が予定している自動車の輸入関税を10%から5%に引き下げることを支持しており、連邦政府に湾岸諸国、ASEAN、南アフリカとの自由貿易協定の締結を促している。 (Source: ABC, 15/08/08 "Bracks review supports tariff cut, calls for doubled green car fund")

08月20日2008年 北京オリンピックで豪産ウールの価格が低迷
  アナリストは、オーストラリアのウール市場が低迷しているのは、オリンピックが原因としている。  
  1月以降、ウールの価格は1キロ当たり200セント以上下落して830セントとなった。 ウール売買仲介人のアンドリュウ・ジョンストン氏は、「今までになくウールの供給量が落ちているのに、価格はもっと高くなければならない。 しかし、北京オリンピックの影響で中国の買い付けが実質止まっており、オーストラリア産ウールの需要は低下している。 オリンピックがウール市場に影響を与えていることは明らかである。 空気汚染の問題で、北京から15キロから1,600キロ離れた地域の工場は、ウール加工場地域を含めて操業が一時閉鎖されている。 中国は今はオリンピック一色で、オリンピックが終われば、工場の操業が再開し、市場が回復するのを願っている」と話した。 (Source: ABC, 13/08/08 "Olympic Games blamed for slump in wool prices")
08月20日2008年 7月の新車販売台数が大幅な落ち込み − ニュージーランド

  ニュージーランドの7月の新車販売が1990年代以来の大幅な落ち込みとなった。 しかし、乗用車と商用車を合わせた新車販売台数が前年同月比で15.7%減少したが、7月の輸入中古車販売台数は前年同月比で36.8%減と新車を上回る落ち込みとなった。
  7月の乗用車の販売台数は5,429台で、前年同月は6,382台であった。 商用車は前年同月に2,497台販売されたのが、今年は2,059台となった。 
  ニュージーランド自動車産業協会(MIA)のペリーケアー会長は、「7月は確かに大幅な落ち込みであった。 5月には新車販売台数が下降する兆候があった。 しかし、6月には力強く回復したが、7月は多くのニュージーランドの経済減速データを反映したものになった」と語った。 
  1月から7月までの7ヶ月間の新車販売台数の累計では昨年同期と同じで、商用車はむしろ4.3%増えている。 メーカー別の販売台数は、トヨタが依然1位を保ち、2位はホールデン、3位はフォードとなり、モデル別では、トヨタ"カローラ”が1位、ホールデン”コモドア”が2位となっている。 (Source; MIA, 04/08/08 "July Sees Big Drop in New Vehicle Sales")

08月13日2008年 オーストラリアのトリュフ産業は今後成長するも、課題もあり
  オーストラリアのトリュフ生産は、2013年までには現在の10倍の生産量になる可能性があるが、この産業が長期的に安定した産業になるには、市場開発やその他の調査が必要となる。 
  今週末にビクトリア州で開催されたオーストラリア トリュフ生産者協会と農業研究開発公社(RIRDC)の協議で、業界の実績調査についていくつかの結論がなされた。 実績調査では、今後のトリュフの生産が2007年の800キロ(時価160万ドル)から2013年には5-10トンになると予想している。 成熟したトリュフの栽培地が250ヘクタールから600ヘクタールに増えて、収穫量も年間平均20%増加することになる。 
  RIRDCの新規産業担当マネージャーのロスリン・プリンスリー教授は、「今回の実績調査では、トリュフ産業の将来の明るさが指摘されたが、業界として規制していかなければならないことも明らかになった。 今後大手生産者の投資が増えていくが、輸出マーケット(特にアジア)の調査・開拓やオーストラリアの消費者への啓蒙が必要になってくる。 また、バイオセキュリティーの問題、業界の安定化、気候変動、品質・生産開発、供給の安定化などに取り組む必要性がある」と話した。 (Source: RIRDC, 24/07/08 "Truffle industry to grow ? but still work to do "
08月13日2008年 オーガニック牛肉の将来は明るい − クイーンズランド州
08月13日2008年 7月の豪産牛肉の日本向けが13%増加
  7月の豪産牛肉の日本向け輸出量が前年同月より13%増えて3万5,510トンとなった。 豪ドル高、クイーンズランド州の季節外れの雨で牛の供給が減少、そして月末のトラック輸送の問題にもかかわらず、7月としては過去2番目の輸出量である。 
  冷蔵牛肉の輸出が若干増えて1万5,188トンとなったものの、7月で大きく増えたのは冷凍牛肉で、前年同月比で23%増の2万0,323トンとなった。 全輸出量の37%は加工用牛肉で、格安小売店、ファースト・フード店、その他の外食産業からの需要が依然高い。 冷蔵グレインフェッド牛肉は1万0,565トンとなり、6月より23%増えたが、前年同月比では20トン減っている 今年には入って1月から6月までの日本向け牛肉の輸出累計は21万5,893トンで、前年同期と比べると4%少なくなっている。 (Source; MLA, 07/08/08 "Beef exports to Japan lift 13% in July")
08月13日2008年 昨年度の豪産ワインの輸出量が前年度比13%減
  昨年度(7月2007年-6月2008年)のオーストラリア産ワインの輸出量が前年度と比べて1億リットル(13%)以上減少したことが分かった。 オーストラリア ワイン・ブランデー公社の統計によると、昨年度のオーストラリア産ワインの輸出量が、前年度の8億600万リットルから7億400万リットルになり、輸出額も4億6,000万ドル減少した。 
  この減少の理由はワイン用ブドウの収穫減少、豪ドル高、主要マーケットであるアメリカ経済の低迷によるものである。 昨年度のアメリカ向けは25%落ち込み、UKは依然オーストラリアにとって最大の輸出先国であるが9%輸出額が減少した。 輸出が増加したのは、デンマーク、オランダ、香港向けであった。 (Source: ABC, 08/08/08 "Wine exports slump")
08月13日2008年 日本からクイーンズランド州に水を輸出する計画

  日本の企業が、オーストラリアに農業用や工業用として日本から水を輸出する可能性を探っている。 
  野村総合研究所は、日本で第2の鉄鋼メーカーであるJFEホールディングスの川崎工場へオーストラリアから石炭を運ぶ船を利用して、日本から水を輸出することを計画している。 
  アメリカの通信社ブルームバーグ社の報道では、来月同研究の代表者が、水の供給先を探しているクイーンズランド州を訪れこの計画を協議することになっており、3-5年後から開始し、8月20日に発表されるとしている。 オーストラリアへ輸出される水は、JFEホールディングスの川崎工場が工業用として使用した水を浄化したものである。 
  しかし、クイーンズランド州政府のクレイグ・ワレス水資源大臣は、日本から水を輸入する計画はないとしている。 日本は、先進国の中でカナダに次いで水資源の豊かな国で、世界的な気候変動によって水の需要が高まるため、水の輸出の拡大を図っている。 (Source: AAP, 07/08/08 "Japan may export water to Queensland")

08月13日2008年 7月の豪州の新車販売台数が前年同月比で2.7%減

  オーストラリアの7月の新車販売台数は、景気情勢や高級車(Luxury car)に対する税率が上がったのを反映して減少した。 連邦自動車産業会議所(FCAI)が発表した統計によると、乗用車、バス、トラックを含めた7月の新車販売台数が8万3,976台となり、前年同月比で2,315台(2.7%)の減少となった。 しかし、1月から7月までの累計では、過去最高を記録した前年同期と比べて2.6%上回っている。 
  FCAIのアンドリュウ・マッケラー会長は、「高いガソリン価格、高い金利、広域的な経済の不透明感が、消費者を自動車のショールームから遠ざけている結果となった。 7月のラグジャリー車と呼ばれる高級車の販売台数が、6月と比べて33%下落し、7月から始まった高級車への増税が新車販売に大きく影響した。 我々の業界はこの不公平な増税が、今後も新車販売に悪影響を及ぼすことになるのを懸念している」と話した。 
  7月はほとんどの乗用車とSUV(スポーツ用多目的車)の販売台数が減少し、軽乗用車(1.0%増)、中型SUV(8.1%増)、大型SUV(7.4%増)だけが増加した。 軽商用車は好調で、前年同月比で897台(6.3%)増加した。 7月のメーカー別販売台数の割合は、トヨタが1位で24.4%、2位はホールデンの13.3%。フォードは11.3%で3位となった。 1月から7月までの販売台数の累計は、トヨタが14万7,961台、ホールデンが7万8,271台、フォードは6万3,933台となっている。 (Source: FCAI, 05/08/08 "New Vehicle Sales Soften in July")

08月06日2008年 WTO交渉決裂で、豪産ラムに対するEU市場開放ならず
  オーストラリア羊肉カウンシルは、ジュネーブで開催された世界貿易機関(WTO)の交渉が失敗に終わったことで、豪産ラムと羊肉がEU市場から締め出されている状況が今後も続くことに失望している。 
  同カウンシルのクリス・グローブ会長は、「7年間に渡って続いてきたこの交渉によって、非常に制限のあるEU市場で、現在のオーストラリアの少ない輸入割り当て枠の大幅な増加を期待していた。 この旧態依然で不公平なEUの輸入割り当て枠システムによって、オーストラリアからの輸出が制限され、EUが消費するラム・カットレットの3分の1の量しか許可されていない。 皮肉なことに、EUでのラムや羊肉の生産量や消費量は引き続き落ち込んでおり、EUの消費者たちは高品質で安価な豪産ラムから引き離されている。 ヨーロッパの肉の愛好家たちのメニューからラムがなくなることを心配しており、そうなれば最悪である。 1995年のWTOのウルグアイ・ラウンドでも、豪産ラムや羊肉に対するEUの輸入割り当て枠は1キロも増えなかった」と非難した。 (Source: The Land, 31/07/08 "Trade talks fail Aussie lamb")
08月06日2008年 日本ハムが所有する豪州最大の養豚場を売却−クイーンズランド州
08月06日2008年 ロブスター業界は漁獲量の減少を懸念 − 西オーストラリア州

  ロブスター業界は、今後3年間に渡る漁獲量の減少に懸念を示している。 
  業界団体のThe Western Rock Lobster Councilは、環境パターンの変化やルーウィン海流の流入不足で、西オーストラリア州沿岸のロブスターの生息数が減少しているとしている。 
  同カウンシルのデクスター・デービス会長は、「ロブスターの漁獲量は、現在の1万トンから2010-11年度には7,000トンに減少することになる。 また、豪ドルが米ドルと同じような価値にまで高くなり、海外への輸出が大幅に少なくなる。 今後我々の業界は非常に困難な状況を迎えることになる」と話した。 (Source: ABC, 01/08/08 "Lobster industry fears catch drop")

08月06日2008年 新技術でバナナの廃棄物から紙、ベニア、木製品を製造
  アデレードに本社を置くパピルス・オーストラリア社は、バナナの廃棄物から紙、ベニヤ、木製品を作る技術を開発し、クイーンズランド州北部に初めての商業製造施設となる用地を確保した。 同社は、ケアンズ西部のMareebaに1.6ヘクタールの用地を確保したことにより、来年初めからベニアの生産が始まるとしている。 
  同社のグラント・ピゴットCOOは、「今回のクイーンズランド州の工場は、この新しい技術が商業的に生産ラインに乗ることを示すことと、販売収益を上げる2つを目的としている。 最初の目的は、この技術に興味を持つ多くの海外や国内の企業に、この技術の効果を証明することである。 その次は、商業ベースで生産することである。 この技術は、今まで使用していなかった天然資源を活用して、さまざまな製品を作ることが可能となる。 この技術には、アメリカのチキータ社やバナナを栽培している国の多くの企業が興味を寄せている。 ベトナムで生産するジョイント・ベンチャー契約もすでに署名している。 我社の技術を使うと、年間2万トンの製品を化学薬品を使わず、少ないエネルギーで生産できるようになる」と話した。 (Source: AdelaideNow, 28/07/08 "Papyrus plans Queensland facility") 
08月06日2008年 オーストラリアの養殖産業は2015年までに現在の2倍の生産量に
  オーストラリアの養殖業界は、需要の伸びに対応するために、生産量を約2倍にすることを計画している。 最大の養殖産業界団体のクレイグ・フォスター会長は、「オーストラリアは毎年、6万トンの魚、貝、甲殻類を生産している。 今後これを年間10万トンまでに増やすことを望んでいる。 この増産はタスマニア州のサーモン、南オーストラリア州のヒラマサ、クイーンズランド州のクルマエビの生産拡大で実現できる。 現在のクルマエビの生産量は3,200トンで、これが将来約7,000トンになることを信じている。 またバラマンディーの養殖産業も伸びており、クイーンズランド州がバラマンディー養殖に大きな役割を果たすことになる」と話した。 (Source: ABC, 30/07/08 "Aquaculture industry set to double production by 2015")
08月06日2008年 一回の出荷としては世界記録となる生体牛を輸出